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3画面パック ⑨ 要件定義 — 何を作るのか

結論(3行)

  1. 作るのは 3つの画面です。ポータル(デスク)/ PM(案件のかんばん)/ SW(仕事の型の升目)
  2. 🔴 いま使っている Wiki は捨てません。 Wiki こそが デスク(=中身を持つ場所)です。3画面は、その上に 「動かす板」と「数える升目」を足す話です。
  3. やり方は 複製 → 並行運用 → 引っ越し元の Wiki は読み取り専用のまま残し、複製した側で作ります。問題が無ければ正本を移します。

📦 このパックの入口(ダウンロードはこちら) | pmsw-pack.zip をそのまま落とす | ⑩ 実装指示(右腕が読む)

この 09 は 「何のために作るのか」を決める紙です。この1枚だけで、何を作るのかが分かるように書いてあります。 作り方(手順)は 10_implementation に、画面ごとの細かい仕様は 00〜05 にあります。


1. 解こうとしている問題

いま、仕事の情報は Wiki(デスク)に全部あります。 中身はあります。足りないのは「見え方」です。

flowchart TD
    W["Wiki(デスク)<br>手順書・議事録・調査・成果物<br>= 中身は、ここに全部ある"]
    W --> Q1["? いま何が動いている?<br>どれが止まっている?"]
    W --> Q2["? 型は何本たまった?<br>どの工程が空?"]
    Q1 --> A1["ページを片っ端から開いて<br>頭の中で数える"]
    Q2 --> A2["数えない(=分からないまま)"]
    style A1 fill:#a33,color:#fff
    style A2 fill:#a33,color:#fff
何が見えないか いま起きていること
いま何が動いているか 案件のページはあるが、一覧で「いまどこに居るか」が並ばない。止まっているものが目に入らない
型が何本たまったか 手順書は書いているが、どの工程に何が揃ったかを数えていない。だから「まだ人に渡せない仕事」がどれか分からない

🔴 逆をやっても解けません

板(かんばん)だけを作っても解けません。板には成果物の中身が無いからです。 「この案件、何をやったんだっけ」と思った瞬間に、結局 Wiki を開くことになります。

中身は Wiki に置いたまま、見え方だけを足す。これが、この3画面の考え方です。


2. 🔴 既存の Wiki との関係(ここを外すと、全部やり直しになります)

Wiki は「古い道具」ではありません。3画面のうちの1枚(=デスク)そのものです。

何を持つか この件でどうなるか
いまの Wiki 手順書・議事録・調査・渡した成果物の本文 🔴 そのまま生き残ります。中身は1文字も捨てません
PM(新しい) 案件の状態だけ。本文は持たない 新しく作ります。本文は Wiki のページを指します
SW(新しい) 型が揃ったかどうかだけ。本文は持たない 新しく作ります。型の中身は Wiki のページを指します
flowchart LR
    PM["PM<br>案件のかんばん<br>(新しく作る)"] -->|案件を1つ回すと| SW["SW<br>仕事の型の升目<br>(新しく作る)"]
    SW -->|型の本文は| P["ポータル(デスク)<br>= いまの Wiki<br>そのまま使う"]
    P -->|中身を持つ| PM

1文で言うと

PM が動かし、SW が数え、デスク(= Wiki)が中身を持つ。

入口を2つ持たないでください

「Wiki」と「ポータル」を別のものとして並べると、人は必ず片方を見なくなります。 呼び方は2つでも、実体は1つにします。ポータルのトップ= Wiki のトップです。


3. 使う場面(3つ・具体的に)

場面 1 — 朝、机に着いて「今日どれを進めるか」を決める

社長がポータルのトップを開き、「案件の板」を押す。

  • いま:Wiki の案件ページを1つずつ開いて、最後の更新日を見て回る。止まっているものは、思い出せたものだけ
  • これから:板の左から右へ並んだ案件を見る。手が止まっているものが赤く出ている。カードに「次の一手」が書いてある → 1分で決まる

場面 2 — 人に仕事を渡せるか判断する

「この工程、誰かに任せたい」と思ったとき。

  • いま:任せられるかどうかは。渡してから「手順書が無い」と分かる
  • これからSW の升目を見る。その工程に4点(ワークフロー/役割分担/手順書/チェックリスト)が揃っていれば渡せる。升目をクリックすると、Wiki の手順書のページが開く

場面 3 — 案件の中身を読み返す

「A社の見積、どういう条件で出したんだっけ」。

  • いま:Wiki の検索で探す。どのページが「その案件のもの」か、探し当てるまで分からない
  • これから:板の A 社のカードから、Wiki の該当ページへ1クリック。中身は Wiki にある(=いままでどおり)。行き方だけが増えます

4. やること

# やること ひと言で
1 既存 Wiki を複製して、新しい置き場を作る 元は読み取り専用のまま残す。壊したら戻せる
2 複製した側を「ポータル(デスク)」にする 新設しない。いまの中身がそのまま入口になる
3 PM(案件のかんばん)を作る 表(CSV)から機械が生成する。→ 02_pm
4 SW(仕事の型の升目)を作る 同じく生成物。→ 03_sw
5 🔴 3画面のヘッダーを、同じものに揃える 今回ちぐはぐになった直接の原因。→ 10の「共通ヘッダー」の節
6 6か所の行き来を通す ポータル ⇄ PM ⇄ SW。1か所でも切れていたら未完成
7 元 Wiki と並行で動かす どちらを見るかのルールを先に決める
8 条件を満たしたら、正本を引っ越す 戻し方を残したうえで移す

5. やらないこと(スコープ外)

ここを広げると、また途中で止まります

今回の範囲は 「3画面が見えて、6か所がつながって、元の Wiki が無傷で残っている」までです。

やらないこと なぜ
既存 Wiki を直接作り替える 🔴 失敗したときに戻せません。複製してから触ります
いまのモックアップ(見た目だけの画面)に継ぎ足す 🔴 今回ちぐはぐになった原因そのものです。継ぎ足すほどヘッダーとリンクの不揃いが増えます。捨てて作り直します
画面(HTML)を手で書く・手で直す PM と SW は生成物です。手で直しても、次に生成した瞬間に消えます
型を先に全部そろえる 案件を回した結果として残るものです。先に作ると宿題リストになり、見られなくなります
コメント機能(ページに書くと Discord に飛ぶ) 常駐するサーバが1本要ります。別の作りものです。3画面が見えてから → 07 / 08
ログイン・利用者ごとの権限 読む人が数名で、社内網(または Tailscale)の中だけだから
元 Wiki の即時廃止 並行運用の期間を置かずに移すと、戻せません
検索機能の自作 サイトの標準の検索で足ります
見た目のデザイン調整 ヘッダーが揃って線がつながるまで、見た目には触りません

6. 前提(この環境で作ります)

いまあるもの MkDocs + Material で動いている Wiki が1つ。実際にダッシュボードとして使われている
機械 その Wiki が動いているサーバ 1台(以下 <あなたのサーバ>
置き場 元 Wiki と別のフォルダに複製する。同じサーバでよい
読む人 経営者ひとり + 数名。社内網または Tailscale の中だけ。インターネットには出しません
作る人 右腕(社内で動かしている AI エージェント)
表(データ) このパックの data/ にある CSV 10枚。中身は差し替えて使います

7. 決めておくこと(作り始める前に、あなたが決めます)

決めること 決まったら
🔴 3つの URL ポータル / <ポータル>/pm/ / <ポータル>/sw/ これを決めずに PM・SW を作ると、リンクが切れた状態で焼き上がります(→ 10 の段2
複製先の置き場 <あなたのサーバ> の、元 Wiki と別のフォルダ 元のフォルダは読み取り専用にします
領域と工程(area / stage) あなたの会社が実際にやっている仕事のまとまり きれいな分類にしない。→ 01_data
引っ越してよいと言える条件 「2週間、新しい側だけで仕事が回った」など 🔴 先に決めます。後から決めると、いつまでも移せません

終わりの印:この4つが紙に書けている。


8. 受入条件 — 「出来た」と言える条件

🔴 「動きました」「エラーは出ませんでした」は、出来たことの証拠になりません

下の10個はすべて機械で判定できます。右腕には、実行した出力そのものを見せてもらってください。

# 条件 どう判定するか
B1 3つの URL が全部開く ポータル / PM / SW の3つを取得して、3つとも 200。かつ本文に想定の見出しが入っている
B2 6か所の行き来が全部つながる 3画面の HTML からリンク先を抜き出して全部取得 → 404 が 0 件(→ 06 の6節
B3 🔴 ヘッダーが3画面で同一 3枚の HTML からヘッダー部分を抜き出して比べる → 差分 0 行(→ 10 の共通ヘッダー
B4 🔴 元の Wiki が1文字も変わっていない 複製の前後で、元フォルダの全ファイルのハッシュ一覧を取って比べる → 差分 0 件
B5 複製で中身が欠けていない 元と複製先で、ページ数(.md の数)と総バイト数が一致
B6 PM / SW が作り直せる(生成物である証明) 生成器を2回連続で走らせ、出来た HTML が1回目と2回目で同じ(生成日時の行を除く)
B7 🔴 個人情報が混ざっていない person.csv の氏名・メール・電話が、PM / SW の HTML に1件も無い
B8 外部への読み込みが 0 件 HTML の中に、外部から読み込む script / link / img が無い
B9 🔴 わざと壊すと、止まる(陽性対照) 壊した CSV を1回食わせて、終了コードが 0 以外で止まる。HTML が更新されていない(→ 05 の6節
B10 元 Wiki への参照が切れていない 複製先から元 Wiki を指しているリンクを全部叩く → 404 が 0 件

B9 を飛ばさないでください

検査があることと、検査が効いていることは別です。 「エラー 0 件でした」は、対象を読めていないだけかもしれません。 壊した版で1回止まるのを見てから、合格と言ってください。確かめ終わったら、壊した CSV は必ず元に戻します。

05_build の「合格条件 8 つ」との関係

2系統あります。数え間違いではありません。

何を見るか
05_build の 8 つ 生成器(表から画面を作る道具)が正しいか。壊した CSV で止まるところまで
この B1〜B10 3画面パック全体が出来たか。元 Wiki が無傷か・ヘッダーが揃ったか・線がつながったかを含む

B9 が、05_build の 8 つ(特に模擬失敗)にあたります。先に 05 の 8 つを通してから、B1〜B10 を通します。

終わりの印:B1〜B10 の実行結果が、出力そのもので10個並んでいる。


9. 落とした機能と、その理由

これは「後から足すときの判断基準」です

落とした理由を残しておくと、後で「やっぱり要る」となったときに、何を足すのかが1行で分かります。

落とした機能 どういうものか 落とした理由
既存 Wiki をその場で改造する いまの Wiki に、板と升目を直接足す 🔴 失敗したときに戻せません。実際に使っている道具を、作業台にしないため
いまのモックアップを直して使う 見た目だけ作った画面に、中身を足していく 🔴 ちぐはぐの原因そのもの。継ぎ足すほどヘッダーとリンクの不揃いが増えました
画面を手書きする HTML を直接書いて、必要なときに手で直す 直した内容が次の生成で消えます。直す場所が2つある運用は1日ももちません
型を先に全部そろえる 工程の数だけ手順書を先に書く 仕事の無い型は使われません。空の升目は正常な状態です
コメント機能(ページに書くと Discord に飛ぶ) 読みながら気づきを送る欄 常駐サーバが1本要る別の作りものです。同時にやると、どちらも中途半端になります(→ 07
ログイン・権限管理 人ごとに見えるものを変える 読む人が数名で、社内網の中だけ。管理する相手が居ません
複数サイトをまとめる入口 いくつもの Wiki を1枚に並べる サイトが1つなので、まとめる相手が居ません
元 Wiki をすぐ止める 移したら、その日に古い方を閉じる 戻せなくなります。並行運用の期間を置きます
請求・会計との連携 案件から請求書を起こす 今回の問題(いまどこか・型が何本か)を解きません
見た目のデザイン 配色・字送り・アイコンの整備 ヘッダーが揃って線がつながるまで、見た目は後回しです

10. この3画面が「使われている」と言える状態

作り終えることと、使われることは別です。使われているかどうかは、この3つで分かります。

見るところ 成功している姿
PM の板 カードが動いている(列が変わっている)。赤(停滞)が溜まりっぱなしになっていない
SW の升目 ゆっくりでよいので、埋まった数が増えている。案件を回した結果として増えている
朝の動き 「今日どれを進めるか」を決めるとき、最初に開くのがポータルになっている

次は 10_implementation(実装指示・右腕が読む) です。